Story

 東日本大震災を乗り越え、福島の誇りとなる

“何か”を探し求めてたどり着いたのは、

江戸時代から脈々と受け継がれてきたでした。
2011年の震災は、福島に住む私たちの暮らしを大きく揺るがしました。自然豊かな福島市の山中に工房を構え、四季折々の草花で染め織りをいとなんできた私たちにとっても、「福島の自然は安全なのだろうか?」という不安を抱かざるを得ませんでした。
先行きが見えずとも、福島の人々の心の支え・誇りとなるものがあれば――
その一心で見つけたのが、長年取り組んできた織物の素材「絹」です。
福島市は江戸時代から、「信達蚕糸業地帯」として全国に名が知られる養蚕の名産地でした。
農家で丁寧に育てられたお蚕様の繭を出荷し、良質な生糸として諸外国へ輸出されたほか、
繭を煮て広げた真綿(まわた)としても様々に活用されました。
中でも福島市に隣接する保原町では、昔から変わらず手作業で「入金(いりきん)真綿」と呼ばれる最高級の真綿を作り続けています。
各地へ足を運び調べるほど、養蚕から真綿づくり、糸紡ぎ、織りまでの全てを一貫して行える伝統技術が福島独自であると確信しました。
しかしながら、福島に暮らす人の多くがこの歴史・伝統を知らずにいます。
他にはないこの絹文化を知るきっかけがあれば、福島の人々の誇りに繋がるだけではなく、貴重な伝統を引き継ぐことができるはず。
真綿の特徴・効果を調べ、試作を続けて10年。ようやく完成したのが、真綿洗顔のmawata bijinです。0.02mmという蚕糸の細さと、真綿特有のやわらかさを活かし、絹のようになめらかな肌へみちびく洗顔クロス・洗顔パフを開発しました。
さらに、様々な自然素材でものづくりをしてきた知見を活かし、赤ちゃんを真綿で優しく包む「真綿のおくるみ」を開発。化学繊維などは使わず、自然素材のみで仕上げています。

未曽有の災害を経験した福島だからこそ、自然の恵みが生み出した“本当に良いもの”をお届けします。